深夜徘徊少年と壊れたおねーさん

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 近所の自然公園に着いた。道順は、体が覚えてる。ふらふらと、痛む体をひきずって歩く。重い体とは裏腹に、心はすごく軽かった。 『痴漢に注意!』の看板を通り過ぎる。ほら、もうすぐだ。おねーさん、おねーさん、おねーさん。会いたい、会いたい、会いたい。  広場のベンチの前にたどり着いた。誰もいなかった。 「あ、あ……」  膝から崩れ落ちる。 『なぁ、ガキ。もう夜出歩くな』  おねーさんの言葉を思い出す。おねーさんはもう、この公園に来ないということなのか。  よろよろと、ベンチに座り込む。ぼおーと、公園の時計を見上げる。いつもより遅れてるだけかもしれない、と思ってじーっと時計を見る。それに、こうして座っていれば、もしかすると誘拐犯に誘拐されるかもしれない。そんな期待もあった。  一時間後。 「おい! ガキ! もう来んなっつっただろーが!」  怒るおねーさんとは逆に、僕は高揚感をおさえきれなかった。
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