第6話 核保有は最強の守護神か

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第6話 核保有は最強の守護神か

 国家予算と明るい日本の未来に気を良くしていた織田信長は、政調会長の本田忠勝の言葉に唖然とした。 忠勝「我が国には悪式足枷があります。非核三原則です。世界で唯一被爆した    日本がその恐ろしさと当時の勝戦国の顔色見て設けられた今では我が国    にとっての悪法です。軍隊を持たない我が国は米国の軍事力に頼るしか    ない状況に。しかし、隣国の急速な軍事力強化に伴い、米国や同盟国に    できるだけ迷惑を掛けないという理由から自衛隊の軍備を規制の中、強    化してきた。大戦以後の日本の状況から多くの民主主義国は軍備強化を    黙認している」  武将たちにはポツダム宣言や原爆投下、東京裁判の様子など大戦に関連する動画と露西亜のウクライナ侵攻、イスラエル対ハマス・イラン、中酷による台湾侵攻の懸念に纏わるニュースが脳内に流されていた。 信長「確かに悪法だな」 忠勝「軍備には金が掛かります。米国は他国に関わり軍事費が負担になるほ    ど。そこで前カード大統領が米国ファーストを打ち出し、当事国は自国    で防衛せよと言い出した。現在はバイトに敗れ職を解かれていますが蘇    る確率が高くなっています。そうなれば、米国の軍備使用費を吹っ掛け    てくるでしょう」 秀吉「家を賃貸か購入かと似たもの。大事なのは定住一択だな」 忠勝「同じ軍事費を使うにしても他人の褌では何とも」 政宗「それでは戦略的にやりにくい」 家康「歯痒いジレンマだな」 秀吉「露西亜とウクライナは政宗の文禄・慶長の役のように多勢に無勢なのに    決着がつかないでいる。それは他国のウクライナ支援もあるが露西亜が    核をチラつかせているのが最大の要因だろう」 忠勝「はい。要は核を保有することが最大の防衛となり、勝戦国になる必須条    件になっています」 信長「では、我が国は戦っても負けると言う事ではないか」 忠勝「一概には言えませんが確率は高いでしょう」 信長「それでは核を持たねばなるまい」  そこに奉行大臣の石田三成が口を挟んできた。 三成「我が国には非核三原則があり、前政権が核軍縮・不拡散の機運を醸成す    るため、海外の研究機関やシンクタンクに専門家を配置する取り組みを    始めると発表した所ですし、核を保有するというのは難しいかと」 信長「くだらんことばかり置き土産にしよって」 忠勝「我が国の核保有の鍵を握る米国の大将は狂犬と呼ばれたカードが返り咲    きそうです」  武将たちはカードの行いをダイジェストにした映像を見ていた。 信長「こやつとは何かと馬が合いそうだな」 家康「確かに」  口数の少ない財務大臣の小西行長が口を開いた。 行長「カードとやらが大統領になれば米国の核の傘を売りつけてくるに違いあ    りません。使用する責任を回避し、販売利益のみを稼ごうとするでしょ    う。それを我が国は好機と捉え、核保有を米国の後ろ盾にし西側諸国の    賛同を得て保有国となる。そのためにも台湾が重要視されるように我が    国も半導体の肝を握れば世界は日本を無視できず、寧ろ日本がなければ    不都合となり賛同に転ぶは必定。その流れを妨げる者は密かに始末する    のが望ましいかと」 秀吉「行長も言うようになったな。関ヶ原の戦いで商人から武士の高官となっ    たことに反感を買い、打ち首にされた思いがそなたを変えたのであろ    う」 信長「行長、米国の動きは監視しておくとして中酷をどう考える。秀吉の領地    の者は心酔してる者が多いようだが」 秀吉「情けなく思うこと然り」  行長は中酷の現状を信長に告げ始めた。 (登場人物) 総理大臣に織田信長 副総理に豊臣秀吉 幹事長に徳川家康 政調会長に本田忠勝 財務大臣に小西行長 外務大臣に伊達政宗 国務大臣に明智光秀 奉行大臣に石田三成 資源大臣・加藤清正 渉外大臣・黒田官兵衛 経済安全保障担当大臣・お江「崇源院」
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