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「巫女様、お勤めご苦労様でした」
朝の祈りを終える時を示す鐘が鳴りマイラはやっと肩の力を抜いた。
100人にも及ぶ祭司達の祈りを1人ずつ聞く時間の長さは昔から変わる事がない。
聞く間はずっと自分も祈りの姿勢をとり続けるため体中がギシギシと痛む。
祈りを聞き入れた後に最後はマイラ自ら海の神に声を出して祈りを捧げるのが一連の流れだ。
およそ3時間にもおよぶ長い時間をこの祭壇の上で過ごす。また、これが夕刻に再度あり1日の勤めが終わる流れだ。
それが、毎日終わる事なく続けられる白き巫女としての生活。
何も変わる事なく繰り返される日々。
期待や希望は遥か昔に諦め蓋をした。
ただ白き巫女として生き
ただ息をしている。
それだけだ。
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