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しばらくそうやって身を縮めて息を潜めていたが、先程から雨の様に降り注いでいた弓矢がパタリと止んだ。
周りに隠れていた人達だろうか、皆、一様にあたりを見回す様に頭を動かしている。
終わったのだろうか。
でも、絶対出るなとアルドは言っていた。
だから自分は動いてはダメだ。
そう言い聞かせまた身を小さくした。
バタバタと船員達が集まり船の破損部分などを確認しているのだろうか。弓矢を抜きながら何やら作業をし始めた。
先程から何かにぶつかっていたような衝撃もあったためマイラは船が沈まないかと内心はヒヤヒヤしていた。
船に乗るのも初めてなのだ。
体をどのように保てばいいかさえ分からない。
だから、アルドに言われた通りこの場所でジッと彼が戻るのを待つしか出来ない。
ドタドタドタっ
騒がしく踏みつける足音がしたと思い顔を上げるとそこにはマイゼンの姿があった。
そして、そのすぐ横にいるロイドは何か船員達に指示をだしている。
「巫女さん、もう大丈夫だ。出てきていいよ」
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