三年過ぎました、いまそこで見ていますか?

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(離婚……?)  フォローしていなかったひまわりさんのアカウントは、どこから調べよう。  私はひとまずハナミズキさんのプロフィール画面に飛んだ。そこには、夫→@でひまわりさんのアカウント名リンクが記載されていた。  私が見ていた数年前から、二人は互いのアカウント名を自分のプロフィールに出していたのだ。  理由はなんとなくわかる。  リアルで美男美女でなおかつ、SNS上ではフォロワー4桁のアカウントだったからだ。  自分は既婚者であり、相手とはSNS上でもつながっていて、事情はなんでも通じていますよ、というアピールをしていたのだろう。面倒よけだ。  ひまわりさんをタップしてみる。  そちらも鍵アカウントになっていて、フォロー外からは現在の投稿は確認できない状態だった。プロフィール欄には妻→@でハナミズキさんのアカウントが記されたままだった。  互いのプロフィール画面に、相手のアカウント情報を残している以上、二人が離れた理由は離婚ではないだろうなと察せられる。  そこで、私はもうかなり相当動揺していた。  自分の生活にはほぼ関わりのない美男美女夫婦に、ここ数年の間に起きたことを思い、はっきりと落ち込んでしまっていた。  ハナミズキさんは、ひとりで子どもの「ガーベラちゃん」を育てていた。 “ほんとうにわたしはだめで” “ひまわりさんがいないと” “保育園の書類もうまく書けなくて” “ぜんぶひまわりさんがやってくれていたから” “本当にもう会えないのかな” “こんなことになるなんて、思わなかった” “ひまわりさんがいないと” “生きていけないの”  いるべきひとが欠けてしまっている、やるせなさ。  大きすぎる空白。  今日も準備が終わらない、何か忘れている気がする。私はだめな母親。  WEBに向かってひとり呟いて、ハナミズキさんはガーベラちゃんと手を繋いで家を出る。 “いってきます” “私は毎日、朝から疲れている” “もう死んでしまいたい” “ひまわりさんがいない”  * * *  
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