新たな挑戦

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 一番手のヒューマンアンドカンパニーがプレゼンテーションを終えた。そして真打ちの二番手ユープランスタッフが臨むべく会議室に向かう。時間的に三十分ほど時間がかかり室内で熱心に語っているのだろう。一際拍手が上がるのが聞こえた。これを覆すのは骨が折れそうだと黒木は思った。 「さぁ、行こうか」  桜井が指揮を執り会議室に入る。会議室内には十名ほどいた。ユープランスタッフの熱気がまだ残っている。黒木はゆっくり現状を説明。新参の部類のテラスヒューマニティが今どのように就職支援の業績を上げているか説明。傍聴する側もテラスヒューマニティの業績に感嘆した。また既存のやり方ではなく就職率をあげるためのプラン、カウンセラーのみならず独自の求人検索システムの提案。独自のジョブサーチャーとしての独自の求人開拓と熱を帯びて伝える。すべて神崎が立案したシステムでありそれを黒木をはじめ川村たちで精査し作りあげたものだ。  桜井は神崎が残したものを部下の黒木をはじめスタッフ一同が築きあげたものに満足していた。彼らは立派に成長している。先頭に立つ灯りを失ったがそれを自分たちで解決し、そして立ち向かう強さ。涙が溢れそうになりながら黒木のプレゼンテーションを聞いている。 「以上です」  黒木が頭を下げた。息を切らしている。  ──あの時の神崎と同じだな──  神崎が倒れる前に私たちに披露したあのプレゼンテーション。神崎と黒木がだぶった。  一層の拍手に見送られ会議室を後にした。手を差し出す桜井。黒木は肩で息をしながら桜井と固い握手を交わした。 「結果は分からない。しかし見事なプレゼンだったぞ。川村お前たちの頑張りが黒木を後押しした。ありがとう」  川村の肩を叩き桜井は手を差し出し、川村とも固い握手をした。 「さぁ、後は神のみぞ知るだ。だが俺は確信しているぞ。お前のプレゼンはそれほど素晴らしかった」
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