桜の下

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桜の下

 ――それは、一瞬のことだった。  皓々と月の輝く、冴え冴えとした夜の頃。  まるで見覚えのない、蒼然とした森の中にて――視界には、目を瞠るほどに紅く染まった桜の花。そして、その下には――まるで幻想の如く妖麗な、長い黒髪を纏う女性の姿。そんな彼女に、俺は――
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