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「…………入れ、替え?」
幾度も重なる理解の追い付かない発言に、呆然と呟き尋ねる僕。……いったい、何を入れ替……っ!?
「――ええ、お察しの通りよ学斗。本当に残念なのだけど……もはや白骨と化した身体からは、それ以上の血を吸い取ることは出来ない。なので――数年おきに、瑞々しく新しい身体と入れ替える必要があるのよ」
唖然と目を見開く僕に、妖美な微笑で以て告げる咲冶さん。そして――
「――でも、本望でしょう? 貴方にとって、愛して止まない大事な女のために死ねるのだから」
「……あの、その……」
……逃げなきゃ。今すぐ、何処まででも遠くに逃げなきゃ! ……なのに、足が……いや、指一本さえピクリとも動かない。その間にも、ゆっくりと僕との距離を詰める咲冶さん。そして――
「――愛してるわ、学斗。これからもずっと、永久に愛してるわ。そして――おやすみなさい」
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