1年後

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1年後

その後。 一緒に過ごしているうちに、ファビエルくんの事が、すっかり好きになってしまった僕は、伯爵領に帰ってから両親にファビエルくんの家へ婿入りしいと話した。始めは反対していたけれど、最後には「リューンの人生なんだから好きにしなさい」と言ってくれた。 伯爵令息では身分が釣り合わないからと、わざわざ第8王子に身分を戻してから婿入りしたため、結婚式を挙げたのは、熊に襲われた日から1年後のことだった。 ***** 領主主宰の結婚式とパレードが終わると、屋敷へ戻って寝る準備をしていた。 「はっ・・・くっちゅ」 薄い素材の寝巻きだったため、寒くてクシャミをしていると、いつの間にかファビエルくんが部屋に入って来ていて、後ろから抱きついてきた。 「ごめん、待った?」 「・・・ううん」 僕の上に覆い被ると、下腹部に再び淫紋を描いていた。1年前に描かれた淫紋は、伯爵領へ帰った後、1週間くらいで自然と消えてしまっていたのだ。 「よし・・・何だか、淫紋を描くと『俺のモノ』って、感じが増すね」 「今日から、ファビエルくんの配偶者だよ?」 僕が首を傾げながら言うと、ファビエルくんは笑って僕に抱きついてきた。 「そうだね・・・僕のところへ来てくれてありがとう、リューン」 「どういたしまして?・・・これからも、よろしくね、ファビエルくん」 「こちらこそ、よろしく。リューン・・・愛してる」 「僕も・・・愛してる、ファビエル」 ベッドの上で、お互いに触れるだけのキスをすると、その日は空の色が白み始めるまで、お互いを愛し合ったのだった。
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