なぜそうなる?

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なぜそうなる?

俺の思いとは関係なく、小学校も中学校もそしてまさかの高校まで同じだった。 成績の良いアイツは当然行くだろうと思われた高校には行かず、文武両道を謳う高校を受験した。 中学ではバスケの部長になり、春から夏は水泳部の助っ人を頼まれる程スポーツに長けた俺は、スポーツだけだと言われたくなくて、成績も常にトップを心掛けた。 だが、そのトップの座はいつもアイツに奪われ、二番に甘んじていた。 其れでも自分が文武両道である事は誰の目にも明らかだった。 だが、アイツのどこにも武は見られない・・・・・運動が苦手なアイツは誰もが認める運痴だったはず、其れなのにこの高校に来た理由が分からない。 理系の大学を目指した俺は3年になって志望校をT大と決定し、工学部建築学科を受験する事に決めた。 子供の頃から自分の家は勿論、独創的な図書館や個性的な魅力のある博物館を設計するのが夢だった。 その夢を叶える為に一級建築士を目指し、その為にはT大の工学部建築学科に合格する必要があった。 そんな俺の夢を知っているはずもないのに、気が付けばアイツも同じ大学の同じ工学部インテリア学科を希望していた。 学科は違うとはいえ同じ工学部、入学志願者は150名合格率4倍の難関を突破しなければ入学できない、志願者が少しでも少なければと願う俺の気も知らず………… 何処までも俺の前に立ち塞がるお前に俺の忍耐もここまでだった。 どうして俺の邪魔をするのか、どんな理由があって俺の前を塞ぐのか、どうしてもその理由が知りたかった。 俺は小学校以来初めてあいつと対峙すると決めた。
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