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初めて同士
これまでなら、食事が終わって映画を見たりコーヒーを飲みながら会話を楽しみ、時間がくればそれぞれの部屋へ帰るのが常だった。
だが、今夜はお互い好きだと告白しあった初めての夜だ。
当然、どっちかの部屋に泊まるつもりだった。
「侑星、今夜は一緒に寝よう」
「俺、今夜は課題が残ってるから、それやるつもり」
「ハァ!課題?そんなの今夜しなくても、明日の昼でいいだろ?」
「でも、後一週間しかないからそんなこと言ってたら間に合わない」
「お前、分かってるか?今夜は俺達にとって初めての夜だぞ」
「・・・・・初めての夜って言っても、この前もキスしただろ」
「キスで終わりか?その先は?」
「だって俺、その先経験ないから・・・・・」
「俺だって、男はお前が始めてだって言っただろ」
「だったら、尚更今夜は無理」
「いつならいいんだ」
「・・・・・」
「ナァ、侑星一緒に寝て、本能のまま欲望のままやってみよう。お前は俺が好きで俺はお前が好き、相思相愛だろ?」
「それはそうだけど・・・・・」
そっぽを向いて照れている侑星が、可愛いなと思った。
赤くなった侑星が可愛くて可愛くて本当に可愛くて、俺の心臓はこれまでで一番ドキドキしていた。
侑星は少しためらうような素振りを見せた後、キュッと唇を引き締めて俺の顔を見た。
「わかった、一緒に寝よう」
「じゃあ、俺の部屋に行こう。俺のベッドの方がデカいから二人で寝ても大丈夫」
「うん」
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