求からの電話

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求からの電話

3500605a-0664-4dc7-bed7-1857b9bddc97 金曜日に求から着信があった 仕事中だったから帰り道の 公園で先ずは 今大丈夫かな?電話して良いかなと メッセージを送った 5分だけ待とうと思っていたら 直ぐに電話が鳴った こないだは突然ごめんね 僕も驚いたんだ まさかかなうちゃんに会えるとは あの頃はまだ6歳だったしね 兄ちゃんが突然居なくなって 家は何だかおかしくなったし 直ぐ引っ越したし そんな会話をしていた 求は土曜日に会えないかなと 告が久しぶりに帰国すると 何処に居るかも聞かなかった 告はあの時まだ3歳だったし 正直あの事故の記憶はあまり無いと でも時々大きいお兄ちゃんは?と その度に家族全員で笑うしかなかったと 話せば皆あの日の記憶に戻るからと じゃあ私の記憶なんかもっと無いと 聞いてみたら かなうちゃんまだ持ってるかな? 兄ちゃんが作ったさ花火の招待切符 あれは兄ちゃんと告が作ったんだと 告はセロテープ係をしたと その時にかなうちゃんの話ばかり 兄ちゃんがしていて 告の中では切符の人なんだ いつか忘れると思っていたと だって3歳だったから でも消えなかった 不思議なんだけど 大きい兄ちゃんとかなうちゃんが 一緒になって記憶の片隅に居たんだ 僕らの両親はあの悲劇から 逃げる事が出来なくて 僕が高校生 告が中学生になった時 離婚したんだ 僕は父と暮らし 告は母と暮らす事に 離れたからか我が家は 悲しみから少し距離を置けた 父は告をちゃんと見てなかった 母を責めていた 母はどうして告を止めなかったと 僕を責めた 静かな冷たい態度で もうそれは家族ではないよね それぞれになり会う機会も減り それが自然になったんだと たから告に会うのは 僕も久しぶりだと 帰国の連絡来たから かなうちゃん覚えてる?と聞いたら あ!切符の人だよねと 会いたいなと 大きいお兄ちゃんの話したいと だから是非会いたいと 突然でごめんね 私に断る理由もない 切符だってやっと見たよな私だ じゃあ土曜日にと返事したら また詳細はメッセージするねと 求が最後に言ったんだな 今もポチャッコ好きかな? そんな年齢じゃないか あの時のプレゼントは 僕と兄ちゃんで買いに行ったんだ 電話が切れたら泣いていた 皆の記憶の片隅に光は居る 私はなんで忘れていたんだろう 何処で消そうとしたんたろう
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