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新しい自分になる
彼の姿を見れなくなって
もう3つの季節が過ぎた
冬の気配が見えだした
会社では良く言われる様になった
なんか最近明るいですよね?
恋でもしていますか?
会社のお付き合いにも
積極的迄は行かなくても
都合が合うならば参加するようになった
図書館で本を読むよりも
借りて家で読む様にもなった
韓国と言うキーワードが
心の安定剤になりつつあった
寒さが増したある日
ハングルのテキストと
あの日のガイドブックを
借りる事に
カウンターの司書さんが
ニッコリ笑って
「これね 和田君カズタクン
から送られて来たの
韓国のお菓子なんだけど1つどうぞ」
韓国の?
和田君?
彼は和田君なのか?
「真っ赤な顔してどうしたの?
気分悪くなった?」
私はあたふたしていた
名前さえ知らなかった人
動揺しながら受け取ったお菓子には
漢字で薬菓と書かれていた
司書さんは白井さん
初めて名前を聞いた
初めて長く話した
彼の名前も知らなかった事や
私の変化とかを言われた
本を読んでる時の多彩な表情が
普段でも見える様になったとか
私は驚いてばかりだった
白井さんは彼のお母さんと
仲良くて可愛がっていた事とか
彼は今練習生を頑張っていると
白井さんの誕生日だから
お菓子とマフラーをなぜか
図書館に送って来たのよと
私は彼の魔法にかかったのかな?
毎日新しい自分に会ってる
そんな気持ちになっていた
この感情は何だろう?
白井さんに貰った
薬菓は暫く眺めるばかりだった
お菓子を、眺めると
あの輝く笑顔が見える気がしたからだ
彼はまだまだこれこらの20歳
年齢も知った6歳も下なの?
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