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あれから2年半
時間は容赦なく流れていく
私は28歳になった
そして大きく変化した
会社に行きながらまたもや
勉強を始めた
図書館司書になりたくて
この場所から彼の気配が
消えないから
ここから離れたくなくなり
白井さんに相談して
ようやく道が見えて来た
会社を退職して
アシスタントになることに
彼女には何でも話せた
やる気も向上心も
恋愛も趣味もなかった
無機質な自分をさらけ出せた
彼の話も沢山した
彼の名前は
和田十夢君 カズタトム君
私の名前は
井塚叶 イツカカナウ
両親をずっと受け入れなかったのは
この名前のせいかも
余りにもふざけてると
ずっと思ってた
彼女に言われた時に全部救われた
10の夢を叶える
二人の名前はまるでパズルだわ
こんなに季節は流れて
年齢を重ねたけど
この場所のあちこちに
彼の笑顔が見えるから
私はここに居たいと願った
彼はもうすぐ大きなチャンスの
オーディション番組に出ると
我が家に大きなテレビを買った
私の世界は大きく周りだした
君の明日を願ってばかりだ
これが初恋?
笑うしかない
人生でたった1回話しただけ
数回眺めただけの6歳も下の
アイドル目指してる彼に?
あれも会話では、ないか?
でも彼のお陰で
私の世界は輝いた
両親は相変わらずの
素晴らしい勘違いをしていた
会社を辞めた
図書館司書になる
彼氏が出来て結婚も近く
ずっと働ける場所を目指すのだなと
全く否定も肯定もしないで
微笑んでおいた
あなた達の娘は
名前しか知らない年下に
初恋中
結婚なんか遠い先の夢物語です
毎日新しい発見ばかりだ
私の好奇心は人生最大に爆発してた
ハングル講座にも通い出した
会社時代に貯めた貯金を
有効活用している
両親への仕送りも退職した時
もう終わるねと報告したら
全額貯金されていた
結婚式の足しにしてねと
流石に泣いた
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