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私の初恋はハラハラドキドキ
ある日白井さんが
1枚の写真を見せてくれた
しばし見とれた
赤ちゃんでも彼は輝くのか?
可愛いとかでなく
キラキラに見えたと言ったら
白井さんは爆笑していた
「あなた、ホントに恋してるのよ」
驚いて大声で笑ってしまった
テレビを買ったとか
オーディション観る為に
部屋のインターネット回線も
開設したとか
私が話す度に彼女は笑う
ほんとに可愛いと言われる
私の中の分厚い壁は28歳で
大崩壊したみたいだ
ゴールデンウィークには
実家に戻り色々話した
全く結婚の予定はない
図書館司書は生涯の仕事にしたい
だからこの貯金は返すねと
差し出したら父は残念そうに
天井を見上げたが
母は珍しく大笑いしながら言った
「お父さん!私たちのせいよ
こんな名前つけたからこの子
夢に向かって走り出したのよ
これはねあなたの貯めたお金
自由に使いなさい!あ 約束
時々ちゃんと顔見せなさい
あなた今凄く綺麗よ驚くわ」
母は笑いながら涙を流してた
親を全く理解しないで
扉を閉ざしていたのは私なんだと
私は号泣してた
驚いた父は台所布巾を持って来た
三人で爆笑した
ありがとう。私は
井塚叶で良かった必ず
夢を叶えるよ
え? 夢 なんだろう
ハラハラドキドキの初恋を
咲くにしても散るにしても
私らしく楽しんでみよう
初めて自分で認めた
このキラキラもドキドキも
恋なんだなと
私の初めての思春期がスタート
連休明けには
彼のオーディションが始まる
カレンダーの5月19日を
恥ずかしながらハートで囲んだ
彼は変わらないかな?
キラキラしてるかな?
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