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春の薫りの出会い
毎日退屈過ぎた
同じ事を繰り返してる
何にも心がときめかない
狭い1人の部屋で
小さな切り取られた空を
眺めてるだけだった
両親は私が賢い出来る子だと
信じて疑わない
程々のよゐことして成長した
口答えもしない
心配もさせない
程々の進学をして
良くも悪くもない企業に就職した
残された願いは
そこそこの相手を見つけ
疑いもない平凡な家庭を造り
可愛い孫を見せてくれなんだろう
私は最善を尽くして
1人暮らしを始めた
両親には仕送りもした
答えは簡単明瞭だ
自分を追い込む事で
無駄な夢を見ない選択をした
感情の起伏も出さない
女性の感覚が欠落している
自己分析ばかりしていた
特出する特技も趣味もないので
部屋と職場とコンビニ
この三ヶ所を廻る日々だ
お休みの日は職場近くの
図書館に通うだけだ
無駄に本は好きだが
所有欲はないので
休みの日の半日で
読み切り出来る短編や
エッセイばかりを読むだけだ
図書館の前の並木道が
季節を教えてくれた
私は一体いつからこんな
無機質な感情の無い人に
なったのか?
時々考えたりしたが
答えは出ないし
そこまで考えたりもしなかった
そんなある日
私は彼をみつけた
キラキラ輝いていた
ただ呆然と眺めていた
キミハナンダロウ?
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