クイズ上級者たち

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怜良が俺へのアドバイスとして、実際に出題されたクイズを例として挙げ、詳しく説明してくれた。俺は彼女にお礼を言った。 このアプリは人名がよく問われるから、やはり作品名と作者はセットに覚えておけば瞬時に答えられる。俺のやり方は正しかったと再認識できた。 「兄ちゃん、俺からもアドバイスだ。ただ用語を覚えるより、自分の知ってる似た音の単語と関連づけた方が定着しやすいぜ?例えばだ、今クイズ姫が言ってた画家のヴェロネーゼ、これってパスタの"ボロネーゼ"に響きが似てるよな?あの肉が詰まったうまい料理だ。カナの婚礼=パスタのボロネーゼに似てる名前って覚えて、最初の一文字だけ脳内で変換すればいい。あと、『アウグスブルク信仰告白』って本を書いた『メランヒトン』という人物を問うクイズがこの前出たが、これ覚えにくいなと思って文字見たら、ンが2つあるのと、それを除くとメラ=ドラクエ(ドラゴンクエスト)の火炎系呪文、ヒトはヒトカゲ=ほのおタイプのポケモン(ポケットモンスター)、なぜかすぐにそのゲーム用語が連想された。両方"炎"に関するから印象に残るなあと思って、ン2つ付けるのも忘れてないぜ?まあこんな一見ふざけてそうな暗記方法でも、自分が答えられりゃ何だっていいのさ。とにかく得点を取るためには、新しいワードをたくさん頭に入れないとだな」 今度は雷波が、料理やゲームなど、答えには直接関係ない似た単語を連想して習得する方法を伝授してくれた。確かにこれは面白い。覚えにくい人名や、長いカタカナには使える技かもな。 雷波にもお礼を言った後、再び怜良が聞いてきた。 「あんふぃにさん。あなた、スクショは問題文だけをひたすら撮っているの?」 「ええ、そうですが」 「それはダメね。なぜかというと、文章だけを見ていても記憶には残りづらいからよ。調べる時に画像は検索してないの?」 「見てる時もあるかな」
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