それぞれのクイズ愛

1/5
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ

それぞれのクイズ愛

クイズおじさんも怜良と同じく、クイズがとても好きであることは今の1時間の話で十分伝わってきた。 クイズの歴史? 考えたこともなかった。興味深いな、是非聞かせてくれ。 「まずクイズというのは、出題者が既知の用語について質問し、回答者がそれを答える遊びのことだ。回答権を得るために早さを競う早押しクイズが一般的だが、複数のヒントから正解を(ひらめ)かせる"連想クイズ"や、出された質問に合致する答えをすべて選択する"多答クイズ"なども、よくゲームセンターのクイズゲームにはあったよね。他にも並べ替えや画像クイズ、4択クイズ、隠れているものが徐々に見えてくる虫食いクイズなど、あげればきりがないほどの形式がある。おっと、話がそれた。そもそもクイズの発祥は1791年のアイルランドだと言われている。ダブリンの劇場支配人のデイリーが、無意味な新語を作ってそれを24時間以内に流行らせられるかという賭けを友人と行い、町中のいたるところに「quiz」という落書きをしたことで、その単語がダブリン中に広まったそうなんだ。これが有力な説みたいだよ。またクイズ大国イギリスではクイズはスポーツと捉えられているし、最近は日本でもクイズサークルやイベントの開催が目白押しさ。とにかく勝ち負けにこだわらず、対戦を楽しみ、知識を深めていく____これがクイズの醍醐味だろうね」 クイズおじさんが、「クイズ」という単語を連発しながら、笑顔でクイズの起源や形式などの雑学を語った。 「そうですね。クイズの起源ってダブリンだったんだ、知らなかった。クイズの種類はたくさんありますよね。連想と多答、俺好きですよ。連想はうまく閃ければ楽しいし、多答は間違えた選択肢を選ぶと正解数がゼロになっちゃうから、ヒヤヒヤするのが刺激になるというか。競技クイズはわからないけど、『クイパラ』をやってて毎日すごく充実しているから、勝てなくて悔しいって思いながらもやっぱりクイズってやめられないんですよね」 クイズおじさんが楽しそうに話す様子につられて、俺も自身の"クイズ愛"をみんなに伝えた。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!