それぞれのクイズ愛

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「ああ、クイズって本当に夢中になれる遊びだよな。気づいたら何時間も『クイパラ』プレイしてんだ、夜中までやって寝不足で仕事行くこともしばしばだよ。そういや兄ちゃん。クイズ強くなるには、時事問題(時事ネタ)に詳しくなることと、自分でクイズを作問することって、どっかのプロが言ってたんだ。やってっか?」 雷波がふと、時事問題と作問に力を入れているか、俺に尋ねた。 『クイパラ』には、クイズを自分で自由に作成できる、いわゆる"作問"という機能も備わっている。それを"フリーマッチ"で実際に出題することもでき、反対に他人が作ったクイズを、ルームリーダーが起ち上げた部屋に入って解くことも可能だ。ちなみに、普段俺たちがやっている全国対戦は"ランダムマッチ"と呼ばれる。 「いえ、時事問題は全然。作問は得意な地理の問題を以前に少しだけ作ってましたが、元々フリーマッチ自体そんなにプレイしないんで、大してやってないですね」 「なら、これからこの2つに重点を置いた方がいい。時事問題はアプリではそんなに見ないが、実際のクイズでは頻出だからな。特に社会、芸能、スポーツあたりは、ニュース見てるかどうかでだいぶ違う。兄ちゃんが好きな地理だって、今年2024年の正月に浜松市の行政区が再編されて、3つになったっつー話題があったろう?」 「はい、よくご存知ですね。2024年1月1日に浜松市は当時の7区から、中央区、浜名区、天竜区の3区に再編されました。天竜区だけは名称も面積も変わらなかったようです。地理好きか静岡県民しか知らなそうだけど、そういえば『クイパラ』にも行政区の数を問う問題でしっかり出題されてましたね」 「だよな。だからどんなクイズか出ても答えられるように、新しい情報は逐一チェックして、自分の知識をどんどん積み上げていくんだよ」 雷波はそう言って、首に下げたネックレスに触れた。 彼が地理の話を出してくれたので、俺も嬉しくなり、今年の時事ネタと言える浜松市の区についてみんなに説明した。地理や歴史はあまり時事は多くないが、これは昨年中に調べていたので知っていた。
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