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しかし、締切は明日に迫っている。絶対に間に合わせなければ。
「投稿は『ドゥマンダ』のホームページの、大会用クイズ募集の欄から可能よ。そうだ、当日の問読み担当はめろんぱんちゃんだったわ。ちょっと彼女を呼んでくるわね」
そう言って、怜良はカフェの入り口付近に立っている、同世代のめろんぱんを呼びに行った。すぐにめろんぱんが俺たちのテーブルにやって来た。
「怜良さんから聞きました。お客様もクイズ投稿に挑戦なさるんですね!えっと……」
「あんふぃにです」
「あんふぃにさん。なんかカッコイイお名前ですね。もし採用されたら私がクイズを読ませていただきます!頑張って楽しい問題、あるいはなるほどと思わせるようなクイズを作ってくださいね!」
めろんぱんは俺に満面の笑みを見せ、作問の応援をしてくれた。
なんやかんやで、この子いいな。笑顔がキュートだ。それに名前まで褒めてくれるなんて。俄然、やる気が出てきたぞ。
調子に乗った俺は、彼女との仲を少しでも深めようと、他愛もないことを質問してみた。
「めろんぱんさんって、やっぱりメロンパンがお好きなんですか?」
「はい、大好きです!特に夕張メロンのクリームパンが。あのオレンジ色のクリームの甘さが絶妙なんですよね!とにかくメロンが大好物なんです。だからさっき、あんふぃにさんがメロンソーダを注文されて、それを運んできただけで幸せな気分になりましたよ!」
「いや、偶然だなあ。ドリンク頼んだ後にキミの名札を見たから、狙ったわけじゃないのに(笑)」
「うふふ、本当ですかね〜?」
俺とめろんぱんは、他の3人にお構いなく、2人で楽しそうに会話をした。その様子を見た雷波が、俺たちを冷やかした。
「何だあ、早くもカップルみたいだな。兄ちゃん、大人しそうに見えて若い子好きなのか?(笑)めろんちゃんも年上が好みらしいし、お似合いじゃねえか、ハハハ」
そう言われ、俺は恥ずかしくて顔を赤らめ、下を向いた。
「もうやめてくださいよ〜、雷波さん。私は今仕事とクイズが恋人なんですから(笑)。ほら、あんふぃにさんも困ってるじゃないですかぁー」
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