大会

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5月4日土曜日、14時。 クイズカフェ『ドゥマンダ』で、予定通り小規模なクイズ大会が始まった。 参加者は10人で、見学のみの人も何名かいた。4月27日に出会った怜良、クイズおじさん、雷波ももちろん参加している。回答権を得ると名前を呼ばれるため、マジックでニックネームが書かれた名札を、全員が洋服の左胸につけるよう指示された。参加費は500円で、クッキーが食べ放題だが、それ以外にワンドリンクが必須だ。 「えー、皆様。お待たせいたしました。これより"ドゥマンダクイズ大会"を開始いたします。本日の問読み担当のめろんぱんです、よろしくお願いいたします」 パチパチパチ。 カフェ店員であるめろんぱんが、参加者に向けて笑顔でお決まりの挨拶をし、客は拍手で応対した。彼女はすぐに続けた。 「まず大会のルールを簡単にご説明いたします。参加の皆様には、今から10問の早押しクイズに挑戦していただきます。スタンダードに問題文をお読みしますので、わかったタイミングで早押し機のボタンを押してお答えください。また最終問題のみ早押し連想クイズとなっており、5つのヒントを順にこちらが示しますので、そちらも閃いたらボタンを押してください。回答権は最初にボタンを押した方のみで、正解なら+10ポイント、誤答であればマイナス10ポイントとなり、誤答した方以外のメンバーで再び早押しとなります。今回9問の早押しクイズのうち、4問が利用者投稿クイズとして採用させていただきました。採用された方は、ご自身が作成したクイズの回答権はありません。なにせ答えを知っているわけですからね。ですのでその問題が読まれている間だけは、申し訳ありませんがお立ちいただきます」 「ちょっと待ってくれよ。1問回答権を失うのなら、該当する4人は9問しか挑戦できないってことだろ?それだと不利じゃないか?」 めろんぱんが利用者投稿クイズの説明をしている途中で、慌てた雷波が口を挟んだ。
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