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「ご心配なさらずに。5〜8問目は利用者クイズですが、9問目では逆に、採用された4名様のみが回答できるように調整いたします。つまり残りの6名様にお立ちいただくということになりますね。整理いたしますと、クイズは全10問ですが、どの方も1問はお休みで、回答できる問いは9問になります。利用者投稿クイズを含むシステム上、特別ルールとなること、どうかご了承くださいませ」
めろんぱんはルールが特殊であることを詫び、頭を下げた。これだけ丁寧な口調で、的確に説明できるのは素直にすごいと思った。若いのに立派である。
「それから採用された方の問題の回答を伝えた後で、それを作成した方に簡単な解説をお願いいたします。今後の皆様の知識向上とコミュニケーションの充実化のため、ご協力くださいね。それ以外の6問については私から解説いたしますので。それでは投稿クイズに採用された4名様を発表いたします。
『怜良』さん、『クイズおじさん』さん、『雷波』さん、『あんふぃに』さんの4名です。おめでとうございます!」
めろんぱんに名前を呼ばれ、俺はびっくりして目を大きく見開いた。
やった!採用された。
でも5問投稿してるから、今の時点ではどれが使われるかまではわからないのか。
まあいい、頑張って作問したかいがあったな。嬉しい限りだ。
偶然にも、先週話をした3人もしっかり採用されているとは。やはりクイズ界の強者だな。さて、どんなクイズが出題されるのだろう?
「では皆様、今から早押し機の方をお配りします」
ルール説明を終えためろんぱんが、もう一人の男性スタッフと共に、人数分の早押し機を配布した。
俺は目の前に置かれた、初めて見る早押し機を観察した。そんなに大きくない黒い台に、緑のボタンと緑のランプが付いている。小さなボタンを指で押し込むとランプが点灯し、1stで押すと答えることができるようだ。
「早押し機に触れると、力が漲ってくるな。よし、負けないぞ!」
クイズおじさんが、雑学を楽しそうに話していた時とは打って変わって、真剣な表情を見せていた。優勝を狙っているのかもしれない。
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