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その後、ジャガ神たちは水面に顔を出し、高さ2mほどの場所を見上げていた。目線の先にはU字溝があり、池に向かって水がチョロチョロと注がれていた。滝と言うよりも打たせ湯レベルのものである…。
「あれがオシャレ池に繋がると言われる滝ですか…。水量がずいぶんと少ないですね。しかも滝口まで遠いとは」
「もはや滝登りというよりも、単なる大ジャンプじゃが〜」
「そうですよね。真面目に腹筋と背筋を鍛えれば、ジャンプで届くかもしれません」
「俺様も鴎川シーワールドのシャチみたいなジャンプ力が欲しいじゃが〜」
「あそこのシャチならば余裕で届きます。だけど、ジャガ神さまの場合は特訓が必要になると思います」
なぜかジャガ神は自信とやる気に満ち溢れていた。
「やったるじゃが〜」
「その意気ですよ」
「よし、お前も一緒に特訓じゃが〜っ!」
「へっ、私もですか。何で!?」
「当たり前じゃが。俺様ひとりで池を出発してもあとになって寂しいじゃが〜」
「えっ。ジャガ神さま…。私のことをそんなふうに…」
付き人は嬉し涙を流そうと思ったが、そもそも鮒に涙腺はなかった。
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