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ぐったりでお昼休みが終わり5限目が近づくと、私は両目をひん剥きすぎてひっくり返るかと思った。
「おっ!被った?」
私の席の後ろにまさかの葵くんが着く。学年合同の選択授業が一緒だった。
理系なのに英語選ぶなんて珍しい。
さっきもだいぶ絡まれたし、どうゆう巡り合わせなの…
心中穏やかでない上に、席は名前の順で大井田原から神崎。廊下側の一番後ろとその前に私達は着席した。
「真白、筆箱〜。シャー芯ある?」
早速後ろからトントンと背中を叩かれる。安息は諦めて机上に置いてやると、青ペンだらけの私の筆箱に呆気な顔。
「ホント青好きなんだな。
あ〜、俺の青髪も好きな色だった?」
「好き」
「じゃあ、葵も好き?」
「好き。・・・ん?」
「葵って俺の事だけど?」
「っ!?」
言葉の罠にハメられて、うっかり発言した自分にはっとする。そんな私を見て葵くんは満足そうに「告白されちった〜なんて」とふざけるので、「なっ!?」私は瞬間バグって顔面崩壊。
「ぷっ。俺も真白の仰天顔好きだけどな。
・・・あれ?」
葵くんも…… 好き、って言った。
自分から仕掛けてきてしくじったよう。葵くんの首辺りが桜色にほんわり染まると、耐性ついてた恥ずかしさとドキドキがぶり返してきてしまった。
こそばゆい、空気がふたりの間を流れる。
「あ、センセー来たぞ」葵くんは筆箱を私に渡して真面目な振り。
気まずさに急いで姿勢を戻すが、かしこまってみても英語の授業は全然頭に入ってこない。
もしかして……
葵くんは私の 秘密 に気付いている?
そう思うときがある。
私は―――オーラが見える、共感覚の持主だ。
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