3.しろのクオリア

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 ぐったりでお昼休みが終わり5限目が近づくと、私は両目をひん剥きすぎてひっくり返るかと思った。 「おっ!被った?」  私の席の後ろにまさかの葵くんが着く。学年合同の選択授業が一緒だった。  理系なのに英語選ぶなんて珍しい。  さっきもだいぶ絡まれたし、どうゆう巡り合わせなの…  心中穏やかでない上に、席は名前の順で大井田原()から神崎()。廊下側の一番後ろとその前に私達は着席した。 「真白(ましろ)、筆箱〜。シャー芯ある?」  早速後ろからトントンと背中を叩かれる。安息は諦めて机上に置いてやると、青ペンだらけの私の筆箱に呆気な顔。 「ホント青好きなんだな。  あ〜、俺の青髪も好きな色だった?」 「好き」 「じゃあ、(あおい)も好き?」 「好き。・・・ん?」 「葵って俺の事だけど?」 「っ!?」  言葉の罠にハメられて、うっかり発言した自分にはっとする。そんな私を見て葵くんは満足そうに「告白されちった〜なんて」とふざけるので、「なっ!?」私は瞬間バグって顔面崩壊。 「ぷっ。俺も真白の仰天顔好きだけどな。  ・・・あれ?」  葵くんも…… 好き、って言った。  自分から仕掛けてきてしくじったよう。葵くんの首辺りが桜色にほんわり染まると、耐性ついてた恥ずかしさとドキドキがぶり返してきてしまった。  こそばゆい、空気がふたりの間を流れる。  「あ、センセー来たぞ」葵くんは筆箱を私に渡して真面目な振り。  気まずさに急いで姿勢を戻すが、かしこまってみても英語の授業は全然頭に入ってこない。  もしかして……  葵くんは私の に気付いている?  そう思うときがある。  私は―――オーラが見える、共感覚の持主だ。
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