5.夏色のときめき

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 ランチは(あおい)くんがパン屋で買ってきたとゆうクロワッサンとメロンパン。甘くて香ばしい匂いを確かめ合って『いいね!!』をする。  私はミニトマトと氷で冷えたドクダミ茶を用意した。いつも眠そうな葵くんには効果がありそうだと思って。  メインディッシュの宿題もテーブルに上がると自ら英語のテキストを奪った。  「バレてた?」くしゃっと笑う。  さっき教室に取りに行ったんでしょう?初めからヤル気なしで置きっぱとは予想を越えてた。  談笑しながらのモグモグ中にササッと葵くんは2冊終えてしまって、可笑しな人だとつくづく思った。 「文化祭、美術部は何すんの?」 「……何も」 「なんもしないの!?文化部なのに!?」  当たり前の返事をしただけなのに、葵くんが私の得意な仰天顔を披露する。   ずっと一人だったし、個展?みたいな数ある作品は用意できないし。応募した絵は手元に戻ってこないから何も展示する物がない。 「折角最後の高校文化祭だし、何か思い出になるような事したいよな……俺もいるし?」 「でも文化祭まで1か月もない」 「…そうだ!パフォーマンス!  アートパフォーマンスしよう!」  閃いた!とキラキラ星屑を飛ばして、まさにその表情は向日葵顔。  葵くんの発案はこうだ。  観客集めて目の前で大きな絵を二人で描こう♪音楽流しながら、変わった物?身近にある道具使って描いたりしてさ。絵の楽しさを皆に伝えてみよう!  うーん、じっくり考えてみても・・・  それ… 凄く… いいな… やりたい!  の答え以外見つからなかった。
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