2.青色のいたずら

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 私… からかわれてる?  疑惑の目の色をいつも滲ませているけれど、真正面から放ってくる葵くんの本色はそれさえも払拭していく。  またも、だ。  もう寝ようとベットに入るとスマホがティロン♪続けて♪[ 神崎葵 ]と。  眠気はぶっ飛びクルクル変わるポップアップを目通しで読む[ 純平にメンションしてもらった ]。  私を呼んでる?  そんな気がしてトーク画面を開くとすぐ[ 起きてた? ]の文字が現れた。  これは……からかわれてるじゃなくて、かまって要員を求めてる?  もうどっちかわからない。                 (寝る)             (遊ぼ?)                    (お断りします)(お断り早) (もう寝た?) (おーい??)                    (起きてる!) (www) (いいものあげる!)  暫くして届いたのは星の写真で……綺麗な夜空だと思った。なぜ私にくれたのかは、見えてこない。  [ ありがとう ]を送って指先のおやすみを交わすとピタリと静まった。    私も夜空を観察したくなって開いた部屋の窓から真上を覗いて見る。夜の香りに緑の匂いを運ぶ心地良い風が頬を撫でた。  今夜は一段と星が輝いて……夜色の深い青にキラキラ星の素敵なキャンバス。  御礼なのか、応援なのか。  私が星屑の光を好きなこと知ってたの?  不思議なひと……それで多分、正直なひとだ。  私の中のわだかまりは薄れていく、予感がした。
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