天才外科医マックロード

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天才外科医マックロード

 ボクの名前は(ホシ)優真。  妹の星ユリアが難病に倒れ、ついに主治医にも見放された。  残酷な事に余命わずかと宣告された。  まだ女子高生だと言うのに。  もちろん(ユリア)本人には話してない。  両親はすでに亡くなり、ユリアはただ一人の肉親だ。ボクが親代わりになっていた。 「ううゥッ、お兄ちゃん」  ユリアは病床で苦しそうにボクを呼んだ。 「大丈夫だよ。きっとボクがユリアの病気を治す先生を見つけ出すから」  ボクはユリアの手をしっかりと握りしめた。 「ウン」  しかしユリアは力なくうなずくだけだ。  可哀想なことだが、妹なりにようだ。  自分の命が長くないことを。 「ユリア」  だがボクは絶対に諦めない。  ボクが諦めた瞬間、ユリアは天に召される事になる。  ある日、ボクはある本を手に入れた。  その『運命の本』によれば、どんな不治の病いでも治せる天才外科医がいるらしい。  まさに運命の一冊だ。  彼に頼る以外ないだろう。  その天才外科医こそ『神の手を持つ男』、その名も槙蔵人(マックロード)だ。  しかし槙蔵人(マックロード)は高額の医療報酬を要求する悪徳外科医だと言う噂だ。  だが妹を治すためならいくら金が掛かっても構わない。  ボクはその日から幻の天才外科医を探す旅に出た。  一日も早く槙蔵人(マックロード)を見つけ出し、ユリアの治療をしてもらわなくてはならないのだ。
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