俺の栄養素2

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「学生みたいな部屋だな。なんかちょっと懐かしいかも」  冷蔵庫の前にどさりとコンビニの袋を置き「手ぇ洗わして」と言うから、キッチンでもユニットでも好きな方をどうぞと言うと、神林さんは一瞬迷ってからキッチンのシンクで蛇口のレバーを捻った。ステンレスのシンクにバタバタバタと落ちる水の音が、俺以外の人間が立てている音だってだけで現実感が無く緊張する。 「神林さんも学生のとき、一人暮らしだったんスか」  冷蔵庫の前に屈み込み酒の缶を仕舞いながら訊く。 「ああ。俺んとこはもうちょっと広かったけどな」 「広いと掃除面倒臭くありません?」 「んーまあ。ちょっとぐらい汚れてたって死にゃしねーし」  思わず吹き出しそうになる。可愛い顔をして口が悪いとか、几帳面に見えて結構大雑把とか、この人はギャップがあり過ぎて面白い。 (だから目が離せない)
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