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夜になって伸びてきた髭が水を蓄えて、時折洗面ボウルに水滴が落ちる。神林さんは俺の顔を見ると仕事を思い出すと言った。そんなのは困る。今日の告白で会社の後輩じゃない俺を意識するようになって欲しい。俺がいつも神林さんに抱く気持ちみたいに、俺の顔を見て、俺の身体を見て、俺の声を聞いて、嬉しくなって、苦しくなって、下半身を硬くして。
(まずは第一段階……ってことで)
濡れた手で髪を掻き上げる。ワックスで立ち上げたそれが軽く反発した。
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