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そんな感じでいつも通り——あの告白は夢だったのかと疑いたくなるくらいにいつも通りに一週間が過ぎていき、今日はもう土曜日だった。月に一、二度ある土曜出勤はイヤなんだけれど、神林さんに会える日が増えると思えばラッキーと言えなくもない。仕事無しで会えればそれに越したことはないんだけれど。
今日は午前は内勤、午後からは月次会議となっていた。午前中に大急ぎで資料を纏め午後からの会議に参加、今は十五分休憩の時間。俺は神林さんと一緒に会議室を後にして自販機前のカフェスペースにやって来たところである。
「会議ってなんのためにあるんスかねー」
そう言って後頭部を押さえるようにして両手を組んだ。隣に立つ神林さんも「だな」と仏頂面で応える。
「折角こんなに良い天気だっつーのに内勤とか! 俺らは営業っスよ? この会社は俺らの良さを生かしきれてない! そうは思いませんか?」
目の前の窓からは晴れ渡った外が見えている。自席近くの窓はパソコンのディスプレイへの反射を考慮して年中ブラインドが閉められており、室内から外が見えるのはこの場所だけなのだ。
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