甘いお薬をどうぞ

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ベッドに着くと、ダリウスが自分の腹の上に俺を乗せる。下から緩く突かれて、物足りない刺激に自分から腰を上下に動かす。 「ほら、もっと腰を振らないと媚薬の効果が薄れないよ」 軽快な口ぶりのくせに、ダリウスにも余裕はなさそうだ。額に汗を滲ませて、欲の滲みまくった瞳で(ねぶ)られる。 そんな目を向けられると、もっと欲しくなってしまう。ダリウスの腹に両手を突き、勢い任せに腰を振る。気持ちいい所に自ら擦り付けると、ダリウスが合わせるように動いてくれた。 「ツバサはもっと奥が好きだよね」 「へっ、あっ、あああっ~~~!」 太ももを掴まれて、思いっきり奥へと肉棒が刺さる。感じたこともない快感が昇り、自身のペニスがひくひくと揺れた。それなのに、濡れそぼった先端から欲が吐き出される気配がない。 「なにっ、これ……」 気持ちよすぎて全身が小刻みな震える。奥に肉棒を咥えこんだまま、入口が何度も開閉を繰り返していた。 「女の子みたいにイッてしまったね」 「俺っ、やぁ、へんだよっ」 「変になっていいよ。もっと、ツバサのエッチな所を見せてごらん」 腰を手でなぞられるだけで、カチカチと歯が鳴るほど気持ちがいい。赤い果実のように揺れる乳首を両方いっぺんに触られて、激しく腰が左右に揺れた。そのまま軽く引っ張られると、ビュクリと半透明の白濁が微かに飛び出る。 動けなくなった俺の腰を支えながら、体勢を起こしたダリウスに押し倒された。トロトロになった孔内からペニスが抜かれると、四つん這いにさせられてまた挿入される。 「あんっ、あっ、はぁっ」 獣みたいに荒いお互いの吐息が部屋中を満たし、熱気が身体を包み込む。ダリウスの唇が背に這わされて、チクリとした痛みのあとに離される。それを何度も繰り返されるうちに、項へと舌先が辿り着くのを感じた。 「可愛い俺の番……」 「んぅっ」 歯型の残る項を舐められると、胸の中かが温かくなって喜びに包まれる。ダリウスと繋がっている瞬間が幸せでたまらない。 「腰をもっと上げて」 耳元で囁かれる。子鹿みたいに揺れる太ももを動かして腰を上げると、両手で掴まれてガツガツと突かれる。肌の触れ合う音を耳に入れるたび、涙が飛び散りシーツを濡らす。 軋むベッドの音ですら、今は興奮を煽る材料の一つにしかならない。 「もっとっ、もっとちょうだいっ」 合わせるように腰を揺らす。 「っ、淫乱っ」 「ぁ、あぅ、んんあ。いんらんでいいっ。もっとダリウスのこと、感じたい」 好きだなって、肌を重ねる度に思う。 俺の大切な番。 「一度出すよっ」 「んっ、だしてっ、ダリウスも気持ちよくなってっ!」 「煽りすぎっ、だよ」 壊れてしまいそうなくらい一際激しく腰を打ち付けられた。刹那、肉棒が引き抜かれて背に生暖かい液体が降り注ぐ。シーツに擦れて刺激された自身の肉棒からも、合わせるように精液が吐き出される。 力の入らない身体を反転させて、少し下にズレると、顔の目の前に質量の減らないペニスが来る。それを舌先で突ついてやると、ぴくりと反応を示してくれた。 それに気を良くすると、口内へと咥え込む。 「上手」 頭を撫でてくれるのが嬉しくて目を細める。 美味しいわけもないのに、甘味(かんみ)のように感じるのはどうしてなんだろう。溢れ出るお互いのフェロモンが混ざりあって、鼻腔を満たしているからかもしれない。 「んんっ」 少し腰を落とされると、奥へとペニスが入り込んでくる。苦しいはずなのに、今は喉奥を刺激されるだけでも快楽を拾ってしまう。 緩く腰を動かされて、喉奥を突かれるたびに自身の腰も揺れる。 「続きはツバサの中がいいな」 「ん……」 引き抜かれた肉棒が再び蜜穴にあてがわれた。 ゆっくりと入ってくる肉棒を、柔らかくなっている蜜穴が飲み込む。少しだけ穏やかになった律動に合わせて喘ぎ声が漏れ出る。 「ツバサっ、愛しているよ」 「んっ、ぁ、おれもっ、俺も愛してるっ。好きだっ」 中が締まっているのが自分でもわかる。『好き』って言葉はまるで魔法みたいだ。たった二文字なのに、胸が温かくなって幸せな気分が溢れてくる。 ずっとダリウスに抱きしめられていたい。 ずっと一緒にいたいんだ。 『ダリウス』 揺られる思考の中に、クリスの声が響いた気がした。 「ツバサ、絶対に手放したりしない」 あぁ……、そうか。 なんでこんなタイミングで記憶を思い出すんだろう。 あの日クリスは…… 涙が頬を滑る。 手を伸ばすと、ダリウスの頭を包み込むように抱きしめた。 「約束だからな」 頷いてくれたのが伝わって、笑みが浮かぶ。ただ、この一瞬の幸せを噛み締めながら、俺はまた甘い喘ぎ声を響かせた。
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