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「……そこら辺もシロかはっきりしないと頼めない。とにかく、中身を入れ替えてすぐにこっちは溶解に運ぶんだ。この箱は俺がしまっておく」
「わかったけど、会長と社長もシロかわからないってこの財団大丈夫なの?」
「シロだと思いたい。その辺は更に上の方で確認中だ」
更に上の方……。つまり、この会社にそれ以上の上の人はいない。いるのは、本社だけ。この人本社の役員なの?でも本社の役員の顔ってばれてるはず。だとしたら、こんなとこに来てもすぐに畑中専務とかにはばれちゃう。どういうことだろう?
黙って彼は荷物を持って出ていった。私は彼に言われたとおり、中身を入れ替えた溶解の箱をカートにおいてエレベーターホールへ行った。見ると隣のエレベーターが丁度下がっていくところだった。誰か乗ったのかな?
しばらく戻ってこないかもしれないと思って、深呼吸。
「里沙。久しぶりだな」
声をかけられて振り向くとそこには同期の神部悟。会計部に入り一年が終わるころ告白されて付き合いはじめた。だが、長続きしなかった。
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