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受験を言い訳にして一宮と距離を置こうって思っていたのに、あんたは相変わらず私に何でも話してくるから…
真剣な進路相談とか、してくるからさ…
結局離れられなかった。
「お互い第一志望に受かったら近くに住もうぜ」なんて言うから…
それを励みに頑張っちゃったよ、私。
そして少しだけ期待したんだよ。もしかしたらあんたも私の事を…なんて。
それなのに上京してからもあんたは相変わらずで、私はそれをただ聞くばかり。
2人きりでお互いの部屋にいても、私たちは友達のまま。テレビではバラエティー番組か好きなバンドのライブ映像が流れていて、ローテーブルにはビール缶と乾き物が置いてあって、気付けば雑魚寝で朝を迎えて…。
私たちの関係はドラマにはならない。
今までも今もこの先もずっと。
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