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そうか
そうだったんか
あの事を知っていたのは俺だけじゃなかった
山崎がいない今となっては
『2人の秘密』
そう彼女が言った意図がどこにあるのか
本当のところはわからない
だが例え、たいした秘密でなくても
自分1人が知っている
自分1人しか知らない
そんな秘密は荷が重いと
そう思っていた俺には
むしろその荷物をこの歳になって
下ろす事が出来、
正直ホッとした
居酒屋を出る時に
「サンキューな、友永」
と声をかけた俺に
「…何?急に…キモいんですけど」
と、友永は怪訝な顔をした
◇◇◇◇
地元の友達が良いのは
そういうところだ
もちろん社会人になってからだって
楽しい友達はたくさんいる
ただ、どうしても利害関係
損得勘定を挟んでしまう時があるし
自分の恥ずかしいところをさらけ出すとか
そういうのは
なかなか出来んもんなぁ
山崎の事、俺は恋だとか愛だとか
そんなもんじゃないと思っていたが
客観的に見れば、
単に「初恋をこじらせてた」
だけなのかもな
高校生の惚れた腫れたは
三日麻疹みたいなモン
が、俺の信条なのに
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