353人が本棚に入れています
本棚に追加
/145ページ
「アーベラインが首謀者であることは間違いないうえ、アーベライン家は皆共犯者であったのでしょう。しかし、オリーヴィアはどうか。アーベラインに逆らっても皇家に告発してもその命を失うこととなる。そのようなオリーヴィアに、告白など期待できたでしょうか」
クッ、とオリーヴィアは目を開ける。溢れた涙が、ほんの数ミリ先の絨毯にパタパタッと零れ落ちた。
「したがって、オリーヴィアの首を刎ねるべきではありません」
その結論に対し、フロレンツ第一皇子は、オリーヴィアがアーベライン侯爵とグルであったという噛みあわない反論を繰り返した。エーリク皇帝は、皇族に対する罪に例外はないと暴論を述べた。
「皇族を謀ったというのであれば、首などという役に立たないものではなくその能力で責任を取り罪を贖うべきです!」
その二つを、ヴィルフリート第二皇子はその一言で完封した。
そうして、アーベライン元侯爵およびその一家は皆首を刎ねられた。
オリーヴィアは、フロレンツ第一皇子との婚約を破棄されたうえで、ヴィルフリート第二皇子の侍女となった。
最初のコメントを投稿しよう!