『君だけのために』

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5限の部活紹介の後、そのまま合唱部に見学に…と思っていた。 けれど今、私は体育館でバレーボール部の見学をしている。 一向に紹介されない合唱部は年度末で廃部になっていたのだった。 私は二つ目の夢も失った。 遠い目をした私をここへ連れて来たのは未央だ。 「お願い‼︎一緒にマネージャーやろ?」 「私ルール全く分からないんだけど…」 「大丈夫だって‼︎」 数日後、私は男子バレーボール部のマネージャーとして正式に入部届を提出した。 あの日以来、長屋君とは話していない。 お互いグループが違うし、放課後はそれぞれ部活があるし…そんなものなんだろうな。 今日も変わらず聞こえる笑い声。 好きになるんじゃなかった。 知りたくなかったよ、こんな気持ち。
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