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ぴょんブラン
北の街の人間ドラマの中では異質な存在。
電気の発明は暗闇をなくし、彼らの居場所を狭めてきたが、蒼井 風海花の喫茶店の片隅ではしょっちゅう蠢く影がある。
たまには西 令草の占い屋、時には仁科佐和子のマジックショップ。
この街にはぴょんブランが動いていても不審に思われない場所がわりとある。
重さはモンブラン三個分(自称)。
そう、ぴょんブランは移動する。
花屋や公民館では多少目立つが、見なかったことにされている。
学校では七不思議のひとつとなっているのをいいことにどこにでも現れる。
おそろしいことに何でも口にする。
喫茶店がたまにしか開かないのが幸いだ。
毎日だとぴょんブランの体重がどんなことになるか。
雑食だからといってランドセルと本棚、芝生、茄子をぴょんブランに食べさせてはならない。
増殖するか大暴走か覚醒か、何が起こるかわからない。
もしかするとぴょんブランが十秒くらいしぼむだけかもしれないが、決して与えないでほしい。
どうにかして進むぴょんブラン。
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