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仙花17歳
「ね、ゆづ。よく当たる占い師って知らないかな」
仙花は恰好いいポーズをとりながら親友にこう持ち掛けた。
音楽を志すからにはいつもキリっとしていたいのである。
学校も嗜好も違う。
驚くほど共通点のないふたりだが不思議と気が合った。
それはそうと仙花は筋金入りのギャップ萌えだ。
ゆづのかわいらしさと毒舌には悶絶した。
他校の相撲部主将を射止めた時には、その強面と優しさに頭がバグってそこらじゅうを転がった。
そのせいで仙花の部屋には無数のミステリーサークルができている。
ゆづはものすごい斜め上を見上げている。
これは心当たりがある時のゆづの癖だ。
「ね、占い師さん紹介して?最近彼の気持ちが読めない気がするんだ。何だか素っ気ない気がして」
仙花は期待にきらきら光る瞳でゆづを見た。
「仙花。朝起きた時の寝相とか今日のぱんつの色柄とか食べたものとかを、イケメンだけどド変人のおっさんに根掘り葉掘り聞かれるの、我慢できる?」
仙花はちょっとだけ性癖をくすぐられたが、ここはゆづに合わせておこうと思った。
「できないかもー」
「仙花の主将くんにはね、占いなんていらない。仙花しか見えてないよ」
ゆづは言い切った。
「どうしてわかるの?」
「私だったら自分の足を2時間も椅子がわりにされてにこにこ笑ってられないからね」
自覚のない仙花は首を傾げるばかりだ。
仙花の定位置↑
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