時の輝き-再会-

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中3の4月の終わり、ユズと初めてキスをした。 そしてその日の夜、俺は天国から地獄に突き落とされた。 『お父さんだけ先に行くけど、一翔(かずと)は卒業までお母さんとこっちに残れる様にしたからね』 …それから数日後、体育祭の応援団決めがあった。3年になったら絶対(ぜってー)応援団長やろうって思ってたのに、それどころじゃなくなった。 何かもう無気力…。 赤組の応援団に入ったユズは、気の合う仲間と一緒に放課後めちゃくちゃ楽しそうに練習していた。オレンジ組のモブな俺は、そんなユズの姿を横目に1人で帰宅する毎日だった。 夏休みに何度か2人でカラオケデートをして、キスとかハグとかしたりした。その度に離れたくないって、いつも泣きそうだった。 秋になって、どこを受験するのか…って話になった。その時、引越すって事をユズに話したら 「じゃあ、卒業式でお別れだね」 って、当たり前みたいにそう言われた。 新幹線で3時間…俺たちにとっては果てしなく遠い距離だった。
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