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ちなみに武道場の一階では柔道部が、二階では剣道部が練習をしている。
さらに余談ではあるが、体育の授業で女子生徒が創作ダンスに励むのもこの武道場の二階であった。
まぁ、需要があるということはよいこと。
水のみ場には先客がいた。
陸上部である。陸上部。児玉が所属する陸上部。
なんて運が悪いのだろう。神様はいじわるだ。
きっと、人をからかって笑っているのだろう。神様の暇つぶしに使われるなんてまっぴらだ。
だからといって、ここであからさまな反応をして神様を楽しませ、もっともっと神様に好かれてしまったのなら、未来永劫神様のおもちゃになってしまう。
ということを、一瞬の間に考えてしまった。
もしかして妄想癖でも持っているのかな?
いやいや、神様のせいにしたいくらい、今のこの状況を嫌だなと思っているのだ。
とりあえず水のみ場で順番待ち。児玉に気づかれないことを祈る。けれど、その祈りは無駄だった。
「そっちも休憩?」
水道を使い終えた児玉が声をかけてきた。
「悪いか」
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