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二話
「・・・・・・・なに?」
いつまでもジロジロと見てくるせいで、クラスメイトの視線に晒される。
ぶっきらぼうに問いかけると、上郷は人当たりの良い笑みを浮かべて俺の隣の席に座った。
「これから隣の席になるからよろしく。名前は?」
「・・・・・・・・・・・・」
隣の席は不登校の奴の席だったはずだ。
顔が良ければ全てが許されるのか、担任が何も言わないということは問題無いんだろう。
「はぁ、無視か。これからクラスメイトとして一緒にやっていくんだから、仲良くしようよ」
無視されたと分かっているのなら、黙っていればいいものを。
上郷は俺を覗き込むと、手を差し出してきた。
「授業が始まるから静かにしろよ・・・・・・、颯馬優希・・・・・・別の人とよろしくやってくれ」
「っ・・・!」
適当に手を握ってやって、すぐに手を離す。
自分から聞いてきた癖に・・・・・・上郷は俺が応えたことに対して、意外そうに目を見開いた。
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