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遊びに来る度に泣いている私を見て、
レオは
「メグには笑っていてほしい」
「メグの笑顔はみんなを元気にする」
「泣きたい時は俺を呼んで。」
と、いつも私を励ましてくれた
久しぶりに無理矢理笑ってみたら、母に泣きながら強く抱きしめられた。
その日から少しづつ笑えるようになって、姉のいない生活をみんなで乗り越えてきた。
ある日、時間がなくて髪型や服装などいつもより地味なコーディネートで登校した。一応女子なので、おしゃれができなくてその日はテンションも低く、誰とも話したくなかった。
そんな時に限って話しかけられるもので━━
結局遅刻してしまって、名前を名乗ったものの聞き間違えられてしまった。
男爵とはいえ、一応貴族のはしくれである。姉の死亡の届けは提出していた。が、地方なもので、情報伝達に遅れが生じるのが常だ。
小規模の学園でゆるい管理の所だったこともあり、雰囲気の違う私を双子と勘違いした。
すぐに訂正すれば良かったのに……敢えて言わなかった
いずれ分かることだろうと思っていた。
地方の学園は通っている生徒も少なくて、特に親しく交流している人もいなかった。
それ以来、髪型などを変えると時々間違えられた。
心の傷を抉ることになるので、姉に関することは両親に話すことができなかった。
思いの外、寡黙なふりをするのは心のバランスを保つのに楽だったので、続けてしまったというのもある
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