1 双子?

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ある程度の年齢になると、大多数は地方ではなく都会の学園に入学する。  私も例外ではなかった。もう双子は卒業しようと思っていた。 地方と違い都会の学園の科目はどれも興味があり、女性の私が複数の科目を選択するのは何となく憚られた。 私は父に相談してみることにした。 学園に虚偽申請はできない。 在籍しているのは1人だけど、双子のふりをする許可は得たと父から言われた 黙っていたのに双子のふりをしていることを知っていたことに驚いた 父が何か理由をつけて学院長にお願いしたことは明白だった。その理由は怖くて聞けなかったけれど…… きっと私が姉の死を乗り越えられていないから、姉が生きているように振る舞っているのだと思っている。 自分でもよく分からなかった…… でも、今年で学園は卒業。就職を考えるとこんな生活を続けるのはどう考えても無理だ。もう双子のふりはいい加減辞めよう。
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