現れたネトウヨ

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現れたネトウヨ

 勘解由小路の自宅が、謎の米軍機による攻撃を受けていた頃、私は、勘解由小路と共に、温羅の居城である鬼ノ城の廊下を歩いていた。  鬼ノ城内には、強力な瘴気が満ちていて、私の携帯すら圏外になっている。 「まああれだな、五山の托塔とは中々のネーミングだな。モノの存在を式化し、虚数的な数的単位に縛るのは、いい考えだぞ?ホントはどいつもこいつもショボい付喪神にすぎなくても、今やこいつ等は立派な天になった。見ろ。通常の陰陽師じゃあ呼吸すら出来ない霊気の奔流の中を、平然と歩いているお前は得難い人材だ。俺は矢面には立たんぞ?仮に俺ならどうするか。とりあえず温羅に会う。説得不能だったらさっさと首を刎ねる。どうせ温羅の手下は、温羅より扱いやすいに決まっている。まあ、これが俺の天下統一の布武って奴だ」  問題が1つある。温羅が部下に信に厚い人物だったら、どうすんの?  主人の仇だあ!ってきた鬼を残らず斬獲する気?  まあするだろう、このおっさんは。  何せ外資系上杉だし。  ホントに、斬獲大好きねあんた。  何もかも真っ平らにして、無人の荒野に(しもべ)を放り込み、雑な統治でもする気だろう。  確かに不味い。このおっさんを、これ以上のさばらせる訳にはいかない。  ハゲタカのような外資系企業の跳梁を許す訳にはいかない。  外資系上杉軍とか、マジで勘弁して欲しいんだけど。  何で、武田滅ぼした?  さあ?何か、義?同盟国の奴等が、ギギギっつってたんで。とか言いそうだし。  通された先は、広大な空間で、その真ん中で、スーツを着た若い男が、あぐらをかき、片膝を立てて私達を待っていた。
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