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桐人的統治
よし、じゃあ、桐人に名前書いて。私はそう言った。
要するに、桐人というのは、人の形をした板きれで、それに名前を書くというのは、殺されても文句言いませんという行為でもあった。
「構わんのだが!どっちの名前だ?!人間名か?!契約書には、壇ノ浦水産社長、浦辺尊になるのだが!」
「どっちだっていい。裏切ったら死ぬ契約だし」
「ホント何なんだこいつは?!これが私の新しいボスだと?!」
温羅は凄い混乱していた。その肩を、ポンと静也が叩いていた。
「気持ちは解る。温羅さん。これからもよろしく」
ああそれから。静也はこうも言った。
「よく聞いてないから解らないんだが、俺は、別に韓国は嫌いじゃない。いい人はたくさんいるし。あんまり、反韓を表に出さない方がいいと思う」
「言っていればいいのだ。こと契約においては、奴等は一切信頼出来ない。チャゲアスの凋落も、韓国ライブが大コケしたのが原因だ。いずれお前も知る。忌々しいOINKの、ムービングゴールポストというものをな」
「駄目だわこいつ。温羅、譜代の鬼を全員連れてこい」
全鬼がそうだった。桐人足るかな?私は行列を見ながらそう思った。
まあ、田所の統治にそう瑕疵はないか。流紫降ならすぐにも転ぶな。
勘解由小路はそう考え、携帯を確認した。
あああ。相変わらず圏外か。じゃあどうやってピタ止めやってたって?あれは真琴が立ち上げたアプリだもんね。真琴の水着おっぱい見放題の。
三田村さん、瘴気を祓ってくれ。ああうん、電波が通じれば、あん?トキから30回も着信?
「ああ俺だ。どうした?これから帰――あ?」
「じゃあ、温羅、御所の警備はお願いね?瀬戸大将!あんたはここの城代を任せるから!」
「承知。織部焼の如き、ひょうげた統治をお見せいたそう」
「じゃあ先生、帰りましょ――先生?」
勘解由小路の姿は、忽然と消えていたのだった。
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