頑張れ百鬼姫

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頑張れ百鬼姫

 まあ、ほとんどあのおっさんよ?金に物言わせる妖魅平定。  あー。でも、轟さん凄いのねー。八斗島から10分で盛岡にいたし。  それで、結局、どうなったかっていうと、 「このしょうもなさは何だ?!経凛々(きょうりんりん)払子守(ほっすもり)?!塵塚怪王(ちりづかかいおう)長冠(おさこうぶり)?!そんなんばっかりあんたはああああ!!」  しかも、皇家に入って押し付けられた式神には、瀬戸大将とかがいた。 「何だ。長冠舐めるなよ?まさに伝説級のポケモンだぞ?ルギアみたいなもんだぞ?それぞれ東北の破れ寺にいたのを連れてきたんだもう少し誇れ。まあ真面目な話、流紫降や莉里が目にもくれない連中だったりする」 「今理解した!あんた!子供が手を出さんような、しょうもない妖魅をスカウトさせたな?!」 「まあな。流紫降は例えるなら家康だ。三河だ。トキは今川義元。莉里はあれだ。豊臣っぽい感じだ。霊異の世界は、群雄割拠のまさに戦国だ。その中で、お前は弱兵引き連れて生きるしかないんだ。そうだろう田所元右府(さきのうふ)信長。お前はその、史上最低の弱兵を使って、天下を取るしかない。ああ俺?うんまあ、外資系の上杉かなあ?要するに金が払底しない戦闘民族な?何かやられました。じゃあ行くかって、敵を磨り潰してただ帰るだけのな。そんな中で、お前の統治哲学を見せろ。霊力だけならトキと変わらんだろうが」  あ。あう。私は言葉に詰まった。  私の統治哲学って、何? 「次はあれだな。北日本はまあ併呑したから、次は西日本にしよう。鬼ノ城にでもいこう。轟さん、島根に飛んでくれ」  最寄りの空港に、リムジンが浮かび上がっていった。
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