2.宮沢賢治と猫

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2.宮沢賢治と猫

手始めにインターネットで記事を探すことにした。すると、いくつか説を見出した。 ① 猫を作品中に嫌なヤツ枠で登場させているから、猫が嫌いなはず(セロ弾きのゴーシュ他) ② 猫の絵を落書きするくらいだから、嫌いなはずがない ③ 猫に投影して描いた人物が嫌いなだけである 私は③に大変興味を持ち、出典をあたることにした。 筑摩書房 イーハトーブ乱入記 ─僕の宮沢賢治体験 ますむら ひろし 著 セロ弾きのゴーシュの例では、登場した三毛猫は高瀬露という女性を表現したのではないかという説が記載されていた。 え、高瀬露って誰。 わからないから調べたら、教員をしている女性で、賢治の世話を焼いていたものの賢治自身はあまり好ましく思えず彼女に手を焼いていたっぽい。その感情を、三毛猫に託したのだろうという。三毛猫はメスしか存在しない、という科学的事実に基づき、敢えて、三毛猫で表現した、とな。 他のいくつかの例も読み、なるほど、猫で表現するのが適切だから猫で表現したにすぎないだけで、猫が嫌いなわけじゃないのかもしれない、と思うことにした。 好きな動物に、苦手な人物を投影するとは、もしや、ツンデレだったのでは?という思いが一瞬頭をよぎった。
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