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蛇足
…と思っていたんだが、
"下流の方の川はばいっぱい銀河が巨きく写って、まるで水のないそのままのそらのように見えました。
ジョバンニは、そのカムパネルラはもうあの銀河のはずれにしかいないというような気がしてしかたなかったのです。"
という部分に着目したくなった。
賢治が、ジョバンニの居る現実の小さな世界を小さな豊沢川で表し、広大な北上川から壮大な天の川を空想したのだとする。
その小さな豊沢川に映った銀河を見たジョバンニは、カムパネルラはその『銀河のはずれにしかいない』と思った。それは、豊沢川の向こうにある北上川(=銀河)を思っているんじゃないだろうか。
すなわち、もうカムパネルラは豊沢川を探してもみつからない、北上川=銀河に行ってしまった=死 の受容を表現したのだろうか。
また、生と死がまざった空想の銀河が、現実でもそこで生と死が重なった、ってな雰囲気を表現するなら、豊沢川(現実)と北上川(天上界)の合流地点が見える方がしっくりくる。
ということは、もっと下流で、合流する北上川が遠くに見えて欲しい。
やっぱりこっちかも。
州の"ような"、と言っていて、州とは言ってない点に着目すべきだった、かもしれない。
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