21人が本棚に入れています
本棚に追加
/9ページ
4月1日、午前11時。ちょっと寝坊した。
今日から僕は小学6年生……の前に、今日はエイプリル・フールだ!
「おはようママ!ねぇ大変!僕のおへそ、こんなに大きくなっちゃった!」
パジャマ姿のまま、僕はキッチンで昼ご飯の支度をするママのもとにかけていった。
肌色の風船がしぼみかけたものを、パジャマのズボンから飛び出したように見せながら。
「きゃあああぁぁっ!」
笑い飛ばしてくれると思っていたら、ママは本気で驚いた。
「千早っ!あなた、なんて馬鹿な嘘をついたの!」
青い顔をしてママがうろたえる。
「お、お、おへそなんて…ど、どうしたら。とりあえず、しょ、小児科でいいのかしら…」
と慌て、引き出しからいろんな病院の診察券を何枚も出してきた。
そのママのうろたえ振りに僕が驚いて、ポタッと風船を落っことしちゃったんだ。
その瞬間、ママが落ちた風船に視線を落とし「と、取れたぁー!!」と叫んで崩れるように倒れ込んだ。
「ママーーー!?」
そ、そんなにリアルだった!?
最初のコメントを投稿しよう!