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「菜々のパパって、役場で働いているんだっけ?」と鳴海。
鳴海は菜々の家の前に住んでいるし、「将来公務員になる」と宣言しているだけあって、よく知っている。
「パパが今日の朝『今日は小林建設の視察に行く。俺って割と厄災呼ぶから怖いなぁ。爆発とか起きたりして』って言っていて……嘘ついちゃいけないっていうニュースを見たのはその後だったの」
菜々が話しながら涙をポロポロこぼす。
「そ、それは嘘じゃなくて……もしかして、の話だよね?」と慌てる由奈。
「そうだよ!ウチの会社でそんなことが起きてたまるかって!」と大悟。
そうだった。大悟は小林建設の社長の息子だった。
「大丈夫だよ。大悟のところはこの町一番大きな建設会社なんだ。事故なんて起きないよ」
みんなが菜々を励ましている中、斗真が町を指差し「あれは何だ?」と呟いた。
みんなが斗真の指差す方向を確認する。
―――あれ?黒い…煙?
「あそこ、父ちゃんの会社が作っているビルだ!」大悟が叫ぶ。
同時にみんな忍びの山のてっぺんから飛び降りた。
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